構造計算の方法について

  構造計算の方法としては、原則として仕様規定をすべて満たす必要のある「許容応力度等計算」と、計算では代替できない規定である耐久性等規定のみを満たせばよい「限界耐力計算」があります。

許容応力度等計算(令82条~82条の5)

  許容応力度等計算は、建築物の部材に生じる力を計算する1次設計と、地震力によって生じる変形量を計算する2次設計とを合わせた総称で、1次設計として中程度の地震に対して部材の応力度を許容応力度内に抑えるようにし、2次設計では部材が降伏しても建築物全体としては倒壊しないように必要な強度と粘りをもたせるようにします。

木材の許容応力度(令89条)

  木材の繊維方向の許容応力度は、下表の数値によらなければなりません。なお、圧縮、引張り、曲げ、せん断の各基準強度は樹種及び品質に応じて告示に定められています(平12建告1452)。
  ただし、積雪時の構造計算をするにあたっては、長期に生じる力に対する許容応力度は下表の数値に1.3を乗じて得た数値と、短期に生じる力に対する許容応力度は下表の数値に0.8を乗じて得た数値としなければなりません。

◆木材の許容応力度

◆木材の基準強度の例

限界耐力計算(令82条の6)

  限界耐力計算とは、許容応力度等計算に対して、詳細な計算を行うことによって、変形量を直接求める計算方法で、耐久性等規定以外の仕様規定を満たす必要がありません。許容応力度等計算と比較すると、次のような特徴があります。
 
(1)積雪、暴風についてもその発生が極めて稀な大規模な外力に対して、建築物が倒壊、崩壊等しないことを確認
 
(2)地震に対する検証においては、建築物の変形量を算出し、その変形量に基づいて、建築物の固有周期、減衰性等を算出
 
(3)建築物の高さ方向の加速度分布についても、変形を考慮して算定(許容応力度等計算では、変形量を直接算出できない)
 
  以上のことから、限界耐力計算の場合は、許容応力度等計算が前提としている仕様規定のうち、構造計算によっては検証できない耐久性などの性能項目(耐久性等規定)を除き、仕様規定を適用する必要がありません。